産経の記事、
垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの2度の墜落事故について「少なくとも設計上の根本的なミスで事故が起きたのではないことは米国が説明している通りではないか」と述べ、オスプレイの機体自体に問題はないとの見方を示した。
といった「設計は問題ないのだ」という発言がみてとれる。
しかし、外側からは、設計が悪いのか利用者が悪いのか、そんなもの判断がつく訳もなく。
再発防止に向けて対策が打ち出せるのかどうかが問題なのではないのか、
と思ったが、
毎日の記事では、
森本敏防衛相は6日午前の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備予定の垂直離着陸輸送機オスプレイについて「事故調査の報告の中に再発を防止する措置が含まれていることが必要だ」と述べ、米側に事故の再発防止策を示すよう要求したことを明らかにした。
記事の印象差異に違和感を感じたので、両記事のもとになった6日の森本敏防衛相による記者会見を参照してみると、
産経記事の元発言箇所を推定、
私はオスプレイという飛行機の開発は、アメリカの中できちんと開発が行われ、実用試験も行われ、量産に踏み切った時点で開発そのもののプロセスが終わっていると考えています。それでは何で事故が起こるのかということが当然そこで問として出てくると思いますが、実際にシステムそのものに、例えば油圧のラインだとかいろいろなマイナーな問題で、その後に事故があったことは、それは確かだと思います。しかし、今年起きた2つの事故は、少なくても事故があった直後から、引き続き運用されているということなので、この航空機のシステムそのものに、機械的なというか、システムとして開発途上に考えていたような根本的な欠陥がないという結論に至っているのではないかと考えているわけです。
(中略)
日常いろいろな人間の知恵を使って、ディベロップメントというか改善が常続不断に行われると。科学技術というのはそういうものだし、人間の知恵というのも左様なものだと思います。だから全ての開発のプログラムが、全て120%終わってしまっていると私は思いません。しかし、少なくとも設計上の根本的なミスによって今回の2つの事故が起きたのではないということについては、アメリカが説明しているとおりなのではないかと思いますし、そのような結果が、いずれアメリカで事故報告の中に示されるのではないかと、私は推定しているわけです。
毎日記事の元発言箇所は恐らく、
オスプレイを日本に持ってくるということについて、冒頭申し上げたように、大変地元にも反対もあるし、ご心配もあるということは、私たちを通して受け止め、どのようにすれば我々として、アメリカ側の装備の変更というものを説明できるのかということを我々としては考え、今のところは2つのことを考えています。ひとつは、2つの事故についての調査報告書をできるだけ早期に日本側に通報すること、並びにその際、事故調査の報告の中には、同種の事故の再発を防止する措置が含まれていることが必要だということを、アメリカ側に強く申し入れ、要求もしています。これが第一です。第二は、他方において、飛行の安全性というのは、アメリカが単に飛行の安全性を確認するだけではなく、日本としてどのような措置をもって、我が方として独自に飛行の安全性を確認し、これを国民の皆様に説明できるのかということについては、いろいろな考え方、いろいろな措置、いろいろなアプローチがあり得るのだろうと思います。今、まだそれを検討しているところですが、これはおそらく政府全体として取り組むということになりますので、防衛省だけでできるとは限らないので、関係省庁と共有しながら、どのようにすれば飛行の安全を日本として確認できるかというための措置について、現在鋭意検討しているところです。
産経が参考にした森本防衛相の発言記録は、毎日が参考にした発言記録の後に記載されているため、産経の記者が目を通していないとは思えない。
どう考えても、再発防止策をアメリカ側に申し入れたという情報も盛り込んだ方が、推進派でも反対派でも有益な情報だと思えるが、産経はとにかく安全性を強調したいようにみえる。
産経はオスプレイ推進派の傾向がみられるが、掲載情報を絞った今回の印象操作は、逆効果だな。
[報道]
オスプレイ事故「設計上のミスでない」 森本防衛相 – MSN産経ニュース
オスプレイ:防衛相、事故再発防止策を示すよう米側に要求- 毎日jp(毎日新聞)
[参考]
防衛省・自衛隊:大臣会見概要 平成24年7月6日(10時17分~10時52分)
Filed under: ジジトオドル、内事、政治 | Tagged: オスプレイ、MV22、垂直離着陸輸送機、普天間飛行場、森本敏防衛相 | Leave a comment »