大飯原発再稼動を判断するしかるべき時とはいつだろう

記事から、

大飯原発の再稼働について、「真夏になってからの判断では、企業も色々準備がある。福井県の考えをよく聞き、周辺自治体にも説明しながら、しかるべき時に判断したい」と語った。

5月中に結論を出さないと、準備が間に合わないのだが、野田首相の胸中には、消費税増税しかないような気がしないでもない。

[報道]

大飯原発再稼働「しかるべき時に判断」と首相 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

[参考]

大飯再稼働、関西圏の慎重論に苦言…福井知事 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

大飯原発を再稼動するとして最終決断はどこが担うのだろうか « ゆるコンタ

大飯原発を再稼動するとして最終決断はどこが担うのだろうか

記事によると、

政府には、九州電力玄海原発2、3号機(佐賀県玄海町)の再稼働を要請し、町長が同意したにもかかわらず、ストレステストの導入を唱えて撤回した前例がある。関西圏の反発を考慮して政府がはしごを外す懸念はぬぐい去れず、時岡町長は「第二の玄海町にはなりたくない」と警戒する。

とあり、地元議会が再稼動に尽力しても、国に手の平を返される懸念で踏み切れない様子が伺える。

先日、おおい町議会は原発再稼動を容認する議決を行ったが、それに対する苦情があるようだ。

そういった状況への布石というか、何らかの問題が起こった場合の責任所在を国に押し付けたい意向にもみえなくないが。

原発稼動ゼロからの第一号再稼動原発になるだけに、賛否両論になるのは当然だろうし、慎重になるのもわからなくもない。

しかし、

政府は早期の再稼働を目指していますが、仮に今月末に再稼働を決定したとしても、フル稼働できるのは7月中旬以降となり、節電要請が始まるとみられる7月初旬に間に合わない可能性がでています。

今夏の電力需給を念頭においているのなら、時間はあまり残されていないようだ。

[報道]

原発再稼働、首相の「覚悟」焦点 福井の知事、町長は見極め方針 原発 福井のニュース :福井新聞

[参考]

おおい町議会同意で町役場に苦情 再稼働問題で電話やメール相次ぐ 原発 福井のニュース :福井新聞

大飯原発の監視体制、政府検討へ 福井県知事要請で官房長官明言 原発 福井のニュース :福井新聞

「大飯原発、フル稼働には6週間」 News i – TBSの動画ニュースサイト

それぞれが背負う大飯原発のシガラミ

記事から意見を並べてみる。

関西電力は、

関西電力の大飯原発(福井県おおい町)が再稼働すると、関電管内の今夏の電力需給は再稼働しない場合の14.9%の不足から、わずかにプラスになるとの試算を同社がまとめた。今夏の電力見通しを話し合っている政府の需給検証委員会で10日示した。

大阪知事は、

松井一郎大阪府知事は10日、「(大阪府市には)『再稼働しても足りない』という話だったのに、今度は『足りる』という見解がでた。何を信じていいのか」と批判した。

福井知事は、

「政府が全力を挙げて対応する姿勢が見られない」と批判した。安全規制の確立や中長期的な原子力政策の方向性も含め、「野田佳彦首相自身が先頭に立って心構えを示してほしい」と強調した。

おおい町長は、

「国の覚悟が見えてこない。再稼働の是非を慎重に判断したい」と述べ、国が原発の安全性とエネルギー政策を明確に示さない限り、再稼働を容認しないとの考えを示した。

一部に責任逃れのような発言と受け取れなくもないのもあるが、それぞれの立場ってのがあるのだろうな。

もし、政治家とか世間体とかシガラミを脱ぎ捨てて個人として発言できるとしたら、彼らはどんな見解を示すのだろうか。

[報道]

朝日新聞社デジタル:大飯再稼働で電力不足14.9%から0%に 関電が試算 – 関西ニュース一般

[参考]

朝日新聞デジタル:関電の需給見通し「何を信じれば」 大阪府知事が批判 – 経済

時事ドットコム:再稼働問題「首相が先頭に」=福井知事が要望

大飯原発:「再稼働、国の覚悟が見えない」おおい町長苦言- 毎日jp(毎日新聞)

枝野経産相が西川福井県知事と会談

枝野経産相が福井県庁へ訪問した記事から引用。

枝野幸男経済産業相は14日午後、福井県庁を訪れて西川一誠知事と会談 し、関西電力大飯原発3、4号機の安全性は確保されていると説明、電力需給面での必要性も挙げて再稼働への協力を要請した。知事は、政府が示した新たな安 全基準の妥当性や同原発の安全性が確保されているかを慎重に検証して判断する方針を伝えた。

福井県おおい町の時岡忍町長が語った4月6日の記事には、

記者団に対し「安全だから運転するということでは住民は納得しない。原発の意義、必要性が安全基準の前に出てくるのが筋だ」と指摘。関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を要請する際に政府は、原発の位置付けを明確化するよう求めた。
(中略)
西川知事はこの日も取材には応じなかった。

枝野経産相の訪問まで沈黙を守っていた西川知事だったが、政府案を受けた後は、沈黙を解除するしかない。

あらかじめ発言している福井県関係者の言は、紛れもない地元の意見なのだから、無かったことにはできないだろう。

原発の意義や必要性をどのように指し示すのか、今まで続けた沈黙の意図が何処にあったにせよ、知事の見解を発信するほかない。

そして、会談を経ての福井県知事の発言。

「電力消費地にも(使用済み核燃料の)中間貯蔵施設の設置など、『痛みの分かち合い』をお願いしないといけない」と述べた。都市部は原発で生まれる電力の恩恵を受けるだけでなく、原発関連施設を引き受けることにより、事故によるリスクを地元と共有するべきだ

枝野経産相とどのような会談を行ってこんな見解になったのか。

あまりに唐突過ぎる。

[報道]

大飯原発再稼働、知事に要請 枝野経産相が来県 政治・行政 福井のニュース :福井新聞

原発新安全基準策定「拙速でない」 福井県、政府の検討過程言及 原発 福井のニュース :福井新聞

時事ドットコム:都市も「痛みの分かち合い」を=核燃料貯蔵施設に言及-福井知事

[参考]

国の再稼働要請に福島被災者は憤り 「原発事故もはや別の国の話か」 政治・行政 福井のニュース :福井新聞

大飯原発再稼働へ地元住民は前向き おおい町、政府に不信感も 原発 福井のニュース :福井新聞

再稼働の必要性、国はどう説明 県、町、総合判断へ 原発 福井のニュース :福井新聞

関西電力大飯原発の再稼動はひとまず見送りか

福井県おおい町にある大飯原発。関西電力の発電所。

再稼動について、大阪府市統合本部エネルギー戦略会議は安全への懸念を表明。再稼働に必要な条件を近く公表するとした。

以前に開催された関電株主総会にて大阪市は『速やかな全原発の廃止』を打ち出したはずだが、再稼動を譲歩するつもりなのだろうか。

おおい町の立場としても意見はもちろんある。

原発と共に歩んだとおおい町商工会会長は語る。

原発建設時、人口6千人の町に5千人の作業員が訪れて町の経済を潤してくれたと。

直近の状況、原発が稼動停止する前のおおい町経済がどうだったかの言及がないので、再稼動でどれくらいの経済効果を見込んでいるのか不明だが、何かしらの経済効果は確かにあるのだろう。

福井県や滋賀県の住人として再稼動差し止めを請求する動きもあるが、そのうち、滋賀県は再稼動説明の対象外と政府は通知している。

地域住民、国や自治体の行政がそれぞれの立場でそれぞれの問題を抱えている。ひとつの問題でも複数の側面を持っているのだろう。

しかし、どのような側面を持っていようと、我々の住むこの星を破壊する行為に繋がるのならば、それは許されるものではない。

[報道]

関電大飯原発「安全確保できていない」 大阪府市エネ会議委員が視察 – MSN産経ニュース

[参考]

【大飯原発防災訓練】「地元同意」キーマンに聞く- MSN産経ニュース

【激動!橋下維新】関電は全原発の廃止を 株主提案で難題突き付け – MSN産経ニュース

大飯原発の再稼働差し止めを請求 住民らが仮処分申し立て – MSN産経west

滋賀県は大飯原発再稼働説明の対象外 藤村氏が認識示す – MSN産経west